マンタです。DX/RevOpsコンサルタント、副業ミュージシャン兼個人事業主として次のビジネス、音楽や趣味を探求し、新しい生活様式を模索しています。
今回は、Geminiアドバイザー/GMO AI&Web3顧問としても知られる茶圓将裕(ちゃえん・まさひろ)さんの初著『AI脳 自由な時間が無限に生まれる思考革命』(KADOKAWA、2026年3月18日発売)を通読しました。著者は株式会社デジライズ代表で、累計500社・4万人超へのAI研修・導入支援を手がけ、Xフォロワーは18万人超(2026年2月時点、帯表記)と紹介されています。
2ヶ月ほど前に渋谷で開催されたBrandon.K.Hillさんのイベントに参加させていただき、以前よりX等チェックはさせていただいていたのですが、直接お顔を拝見することができました。
一言で言うと、プロンプト集ではなく「AIを毎日の仕事に自然に組み込む思考の習慣」を、基礎知識→ツール選定→業務分解→実践→マインドセットまで一本道で学べる入門〜中級の実用書です。HubSpotや生成AIを業務に組み込む立場から見ても、「ツールの最新版を追う」より先に「汎用型を土台に、特化型で穴を埋める」という整理が明快で、チームへの説明資料としても使いやすい一冊でした。2026年5月に読了しています。
この本は誰向け?
ChatGPTやGeminiのアカウントはあるが、業務に定着していないビジネスパーソンが、いちばん得をしやすい本です。とくに、
- 生成AIの仕組みや市場構造をざっくり押さえたい(非エンジニアのマネージャー層)
- 社内で「結局どのツールを使えばいいのか」と迷っている
- プロンプトの型は知っているが、導入・自動化・習慣化まで踏み込めていない
といった方に向いています。逆に、LLMの学習理論やエージェント開発のコード実装を深く学びたい方は、別の技術書と併読する前提がよいでしょう。
著者の「はじめに」が効いている理由
本書は、いきなりツール解説から入るのではなく、著者自身の壮絶な原体験から始まります。父の自己破産、大学中退、上海での起業とコロナ禍での帰国、3度の共同創業失敗、ChatGPT公開直後にX投稿がほぼ無反応だった時期——。エンジニアでもない著者が、なぜ今「AIをすべての人に届ける」側に立てたのかが、説得力を持って伝わります。
ここで定義される「AI脳」は、AIを特別なものとせず、思考や仕事の流れの中に自然に組み込む思考様式のこと。著者が研修現場で感じたのは、使える人とそうでない人の差は知識量ではなく「考え方の習慣」だ、という点です。私自身、HubSpot導入支援でも「ツールより運用設計」が成果を分ける場面が多いので、この言い切りには共感しました。
ハイライト3つ
1. 序章の「4ステップ」——理解→実践→自動化→共創
序章では、雇用とAIスキルの統計(レイオフ事例、年収プレミアム、採用現場の変化など)を踏まえたうえで、求められる人材になる4ステップが提示されます。
- AIの仕組みを理解する(自動車のエンジンほど細かく分解する必要はないが、ざっくり知ると応用が広がる)
- AIで実践する(ChatGPT/Claude/Geminiを目的別に使い、メール下書き・議事録要約など小さな業務から組み込む)
- 自動化する(チャットボット、ワークフロー、ツール連携で「ボタン一つ」の仕組みにする)
- AIと共創する(任せられることは任せ、人間にしかできないクリエイティブに集中する)
「AIに聞くことを前提に考える習慣」を持つ——というStep2の一文は、本書全体の芯です。補助ツールとしてたまに触る段階から、業務フローの前提にAIがある段階へ意識をずらす設計図として読めます。
2. 第1〜4章——「市場の4層」と汎用型/特化型の使い分け
中盤は、他の入門書にはあまりない構造理解が厚いのが特徴です。
- 第1章:従来型AI(答えを選ぶ)と生成AI(答えを作る)の違い、生成AI市場の4層(半導体・クラウド・基盤モデル・アプリケーション)
- 第2章:生成AIの限界、学習データとバイアス、回答が速くなるポイント
- 第3章:汎用型(ChatGPT/Gemini/Claude)の選び方。モデル思考、無料から始める推奨、M365/Google Workspaceとの連携観点
- 第4章:特化型(Notta、Manus、Cursorなど)と、ツール選定の5つの判断軸
「仕事の6割は汎用型AIで解決できる」という著者の実務感は、現場でツールが乱立している企業ほど響くはずです。まず汎用型を社内基盤にし、足りない部分だけ特化型で補う——この順番を守るだけで、ライセンス費用と学習コストの両方を抑えやすくなります。
第3章のGemini/ChatGPT/Claudeの使い分け表は、2026年初頭時点の機能名を前提にしているため、操作画面より「どんな業務にどれを向けるか」という軸で読み直すのがおすすめです。
3. 第5〜10章——業務分解、2時間実践、セキュリティ、習慣、EQ
後半は「明日から試せる」寄りの内容が続きます。
- 第5章:AI導入は業務分解から。営業プロセスへの組み込み、定型業務とチャットボット、ワークフロー自動化。導入の真価は戦略にある、という視点
- 第6章:緊急依頼の乗り切り方、Deep Researchでのリサーチ短縮、資料のたたき台、モック制作など2時間で形にする実践
- 第7章:セキュリティで9割が誤解している、という問題提起と、データ学習・保存方針、企業での安全な使い方
- 第8章:「迷ったらAIに聞く」習慣、議事録・SNS・書籍執筆への組み込み、無意識に触れる導線づくり
- 第9章:回答を1ミリだけ手直しする、改善志向、仕組みが9割、わからないことを放置しない
- 第10章:AIが賢くなるほどEQ(感情知性)が武器になる、という締め
私が特に持ち帰ったのは、第9章の「AIに任せるほど、人間の判断の質が上がる」という逆説的な整理です。丸投げで品質が下がるのは、任せ方と検証の設計が欠けているから——というメッセージは、佐藤傑さん『AIエージェント仕事術』の「6つの箱」とも通じる部分があり、両方読むと任せ方の設計の解像度が上がります。
気になった点・注意点
- タイトルの「10倍」「無限」は煽り気味:序章の統計や年収データは、本書の問題意識を伝えるうえで有効ですが、個人の成果を保証するものではありません。著者自身も成果保証の免責があるので、数字は「危機感の共有」程度に留めて読むのがよいです。
- ツール名・モデル名は更新が速い:GPT-5系やGemini 3など、執筆・校正時点(2026年1月頃)の名称が本文に出ます。画面キャプチャより選定の考え方を資産として持ち帰る読み方が向いています。
- Amazonの目次紹介と章立ての印象が異なる場合がある:商品ページでは「5つの知的スキル」などの章名が見えることもありますが、実際の本書は序章+全10章で、基礎・市場・ツール・導入・実践・セキュリティ・習慣・マインド・EQという厚めのカリキュラムになっています(電子版315ページ)。
こんな人におすすめ
- アカウントはあるが、業務にAIが定着していないビジネスパーソン
- 社内研修のたたき台として、非エンジニア向けの全体像が欲しいマネージャー
- ChatGPT/Gemini/Claudeの使い分けと特化型ツールの位置づけを一度に整理したい人
- 「AI導入=ツール購入」ではなく、業務分解と習慣設計から始めたい情シス・DX担当
- 著者のXやYouTubeを見ていて、体系化された1冊が欲しい茶圓さんのフォロワー
一緒に読みたい関連書
- 『AIエージェント仕事術 仕事時間は1/100に 成果は120%になる』(佐藤傑、SBクリエイティブ) ── 本書が「AI脳=習慣と土台」なら、こちらは任せ方の設計書。6つの箱と3層モデルで、メール・資料・自動化まで踏み込みたい人向け。
- 『生成AIで成果をあげる 6つのアクション』(箕輪旭) ── マインドと実践のバランス型。変化に振り回されないための行動整理が得意で、本書の序章〜第5章と相性がよいです。
- 『AIで価値を生み出す思考と技術』(諌山圭司) ── 価値創出の思考フレームに寄せたい人向け。ツール操作より何をAIに任せ、何を人が担うかの議論を深めたいときに。
購入はこちら
まとめ
『AI脳』は、生成AIを「特別な道具」から「毎日の仕事の前提」に変えるための、習慣・構造・ツール・導入・マインドを一通り押さえるカリキュラム本でした。茶圓さんの現場感(400社超の導入相談、4万人超の指導)が、汎用型と特化型の線引きや業務分解の話に乗っているのが強みです。プロンプトの型だけ欲しい人には厚いかもしれませんが、チームでAIリテラシーを底上げしたいなら、社内読書会の第1冊として十分戦える一冊だと感じました。
またBlog以外にもYoutube、TikTokやXでも情報発信をしていますので、よかったら覗いていただき、フォローいただけると励みになります♪


コメント